実家じまいの費用「総額」の目安
実家じまいの費用は、大きく次の4つの合計で決まります。①片付け系(遺品整理・不用品回収・清掃)②建物・不動産系(解体・売却の諸経費)③手続き系(相続登記など)④任意(墓じまい・手放すまでの維持費)。代表的な総額の目安は以下のとおりです。
| ケース | 主な内容 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| 家をそのまま売却 | 片付け+クリーニング+売却 | 約60〜90万円 |
| 解体して更地で売却 | 片付け+解体+売却 | 約150〜290万円 |
| 墓じまいも含む | 上記+お墓の撤去・改葬 | +約30〜100万円 |
解体を伴うと総額は大きく見えますが、土地が売れればその代金から費用を精算でき、手元にプラスが残ることもあります。「いくらかかるか」だけでなく「最終的にいくら手元に残る/出ていくか」で考えるのがポイントです。
費用の内訳(7項目)を相場つきで解説
① 遺品整理・不用品回収
実家じまいで最も大きな割合を占めることが多いのが、家財の片付けです。費用は間取り(≒物量)でおおむね決まります。下表は一戸建て・一般的な物量の場合の目安です。
| 間取り | 費用の目安 |
|---|---|
| 1R・1K | 3〜8万円 |
| 1LDK | 7〜20万円 |
| 2LDK | 12〜30万円 |
| 3LDK | 17〜50万円 |
| 4LDK以上 | 22〜60万円〜 |
物量のほか、作業階数・エレベーターの有無・分別の手間・道幅(トラックの横付け可否)でも変動します。価値ある品(着物・骨董・家電など)は、捨てる前に買取に回すと費用を相殺できます。
② ハウスクリーニング・特殊清掃
売却・引き渡しに向けた通常のクリーニングは数万円程度。長期放置で汚損が激しい場合や特殊清掃が必要な場合は、別途見積もりとなります。
③ 家屋の解体(更地にする場合)
住宅として売りにくい古家は、解体して土地として売る選択肢があります。解体費は構造と広さでおおむね決まります。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜5万円/坪 | 約90〜150万円 |
| 鉄骨造 | 4〜6万円/坪 | 約120〜180万円 |
| RC造 | 6〜8万円/坪 | 約180〜240万円 |
このほか、庭木・ブロック塀・物置・浄化槽の撤去、整地などの付帯工事費が加わることがあります。自治体によっては老朽空き家の解体に補助金が出る場合があるので、後述の章を確認してください。
④ 不動産の売却にかかる費用
売却時には、主に次の費用がかかります。
- 仲介手数料:売買価格が400万円超なら「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限
- 印紙税:売買契約書に必要(数千円〜数万円)
- 測量・境界確定費用:境界が不明確な土地で必要になることがある(数十万円)
- 譲渡所得税:売却益が出た場合に課税(特別控除あり/後述)
⑤ 相続・名義の手続き費用
故人名義のままでは売却・解体ができません。相続登記(名義変更)には、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)と、司法書士に依頼する場合の報酬(5〜10万円程度が目安)がかかります。2024年4月から相続登記は義務化され、原則3年以内の登記が必要です。
⑥ 墓じまい(必要な場合)
お墓を引き払う場合は、墓石の撤去・整地、寺院への離檀料、改葬(遺骨の移動)の手続き、新たな供養先の費用などがかかります。区画や寺院により幅が大きく、総額で30〜100万円程度になることもあります。
⑦ 手放すまでの「維持・巡回」費用
すぐに決められない間も、空き家には固定資産税(地方の戸建てで年1.5〜5万円程度)や管理の手間がかかります。当社の空き家巡回サービス(基本パック15,000円/回)のように、維持を外部に任せる方法もあります。
ケース別・総額シミュレーション
CASE A:荷物が多い実家を片付けて売却(約60〜90万円)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| ディレクション(基本着手金) | 20万円 |
| 不用品回収・処分 | 30〜60万円 |
| ハウスクリーニング | 5〜10万円 |
| 出張旅費 | 5〜10万円 |
| 買取による戻り | −5〜20万円 |
CASE B:解体して更地にし、土地として売却(約150〜290万円)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| ディレクション(基本着手金) | 20万円 |
| 不用品回収・処分 | 30〜50万円 |
| 家屋の解体・更地化(木造) | 100〜200万円 |
| 出張旅費・仲介手数料ほか | 15〜40万円 |
費用を安く抑える5つの方法
- 中間マージンのない依頼先を選ぶ。不用品回収業者に丸ごと頼むと、紹介料(マージン)が上乗せされることがあります。相見積もりを取り、作業費は原価で支払える形が理想です。
- 「捨てる前」に買取を入れる。売れるものを先に現金化すれば、ゴミの量が減り、処分費を相殺できます。
- 早めに着手する。放置が長いほど維持費・税負担・劣化が進みます。元気なうちから少しずつ進めると、費用も精神的負担も軽くなります。
- 補助金・税の控除を活用する。解体補助金や譲渡所得の特別控除など、戻る・減るお金を取りこぼさない(次章)。
- 何度も帰省しない。遠方の実家へ繰り返し通うと、交通費・宿泊費・休暇が積み重なります。現地作業をまとめて任せたほうが、トータルで安く済むことが少なくありません。
使える補助金・税の控除(要確認)
- 老朽空き家の解体補助金:多くの自治体が、危険な空き家の解体費の一部を補助しています(上限は自治体により数十万円程度など)。
- 相続空き家の3,000万円特別控除:一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(適用期限・要件あり。2027年末までの売却が対象とされています)。
- 相続登記の登録免許税の免税措置:一定の場合に登録免許税が免税となる措置があります。
見積もり・支払いで失敗しない注意点
- 相見積もりを取る。1社だけで決めず、複数の見積もりで相場を把握する。
- 追加費用の有無を先に確認。「当日積みきれず追加」などのトラブルを避けるため、上限や追加条件を書面で。
- 料金の内訳を明確に。「一式」だけの見積もりは要注意。項目ごとの金額を確認する。
- マージンの有無を聞く。業者からの紹介料を取っていないか、原価で発注できるかを確認する。